夏目漱石– tag –
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漱石の設計図
夏目漱石の『行人』を読み始める この時期の漱石はとても読者を意識している気がする。 新聞に連載されていたということがよくわかる。 章の最後でしばしばもったいぶる。 こういう書き方はある程度、話の全貌が見えていないとできないのではないか。 と、... -
働くことについて
漱石の小説の主人公はたいてい仕事を探している。 そうして、仕事をだいたい友達の叔父やら自分の親から周旋されることばかりを期待している。 明治の時代は求人情報とかはなかったんだろうか。 誰かに紹介されないと仕事にありつけないとか。 僕も若い頃... -
夏目漱石の中では『彼岸過迄』が最も暗く絶望的な小説である
漱石の『彼岸過迄』を読んでいる。 冒頭、ちょっとしんどくなるのかと思ったけど、やっぱりすぐに面白くなってきた。 これを読むのはまだ2回目だ。 最初に読んだ時のことはほとんど覚えていない。 後期3部作のことは、『こころ』は異常なぐらい読み込ん... -
夏目漱石の迷う着地点について
今日で、今年の仕事を納めをした。少し長い冬休みに入る。 今日が、冬至ということだったが、僕は、これから夜の時間が長くなる。 漱石の『門』を読み終えた。 最後は少し漱石の迷いを感じた。 迷いというのは、精神状態でいう迷いではなく、単純に物語の... -
夏目漱石『門』はだんだん暗くなる。
漱石の『門』がだんだん暗くなってきている。 読みながら思い出したのは、僕は前回これを読んだのは相当前のことだった。 22年前、2000年の頃だ。 国立のアパートで一回読んでいる。 その頃、漱石の全集が嬉しくて『行人』『虞美人草』『彼岸過迄』『道... -
土曜日のこと
同じことの繰り返しだ。 土曜日はゆっくり寝て、昼食を3人で食べて、買い物に行って、散歩に行く。 雨が降っていたが、傘をさして出かけた。 それぐらい土曜の午後は貴重だ。 帰ってきてから、夕食の準備をする。 ロース肉が安かったのでとんかつをあげる... -
夏目漱石『それから』
『それから』を読み終えた 圧倒的な最後に、ため息が出た。 自分がこれから何か小説を書く必要はもうないような打ちのめされた気分だ。 これが明治の時代に書かれて毎日、新聞小説で連載されていたというのだから、すごい。 またいつも思うのだが、外国の... -
将来のことなんて想像しても意味がない
ときどき将来の心配をされる。 もっとも心配ではないのだろうが。 僕がどう考えているかなんて、正直、誰にも教えるつもりもない。 だって自分でもわからないんだもの。 尊敬するリリー・フランキーさんが 「将来のことなんて想像しても意味がない。だって... -
いつの時代も同じ
『それから』を読んでいる。 漱石の小説は結婚にまつわる話がずっと付き纏う。 そうして定職につかない男の話と、それを是とする文明批評が繰り返される。 読んでいると、関東大震災や太平洋戦争の前の時代はわりと豊かな時代だったんだと思う一方、どうも... -
文庫と夏休み
夏目漱石の『三四郎』を読んでいる。 もう何回読み返したかわからない。 何回読んでも、完璧だと思う。 好きなもの、何もかも詰まっている。 昔から『三四郎』のことを面白い面白いと書いているが同じことばかり書いている。 しばらくこの感じは変わらない...
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