夏目漱石『門』はだんだん暗くなる。前半の相続時のトラブルや隣人の坂井と懇意になる話は面白い。

漱石の『門』がだんだん暗くなってきている。

読みながら思い出したのは、僕は前回これを読んだのは相当前のことだった。

22年前、2000年の頃だ。

国立のアパートで一回読んでいる。

その頃、漱石の全集が嬉しくて『行人』『虞美人草』『彼岸過迄』『道草』『明暗』と読んだ。

だから、『三四郎』や『こころ』『それから』ぐらい回数は読んでないからどういう話だったかは、読んでいて思い出す感じだ。

『門』は相続時のトラブルの話や隣の坂井と懇意になる話など実に面白い。

しかし、本質的に暗い話だ。

これまで数回しか読み返していないので今回、読み返すまで、どんな話なのかうろ覚えだったんだけど、隣の坂井のうちに昔の友人が現れるようになってから宗助はおかしくなり、禅寺に行くという小説の展開だ。

で、僕自身の読書でいうと『門』はおそらくそのあともう一回ぐらい東京にいる頃どっかで読んでいるはずだけど、国立のアパート時代に読んだ時の自分は読んでいる際に思い出して、その頃の仲の良かった人々のことを思い出していた。

なんか思うんだが、小説もそうなんだが、漱石については何か自分ではすごい思い入れがあるように感じている。

全集持ってる唯一の作家だし、雑司ヶ谷に住んでいたこともあるし。

ってそれ以外に何もないんだが。

もっとも漱石は僕にとっては一般教養のような作家だと思うから、読んでしかるべきなんだが、そう考えたら、マニアックに愛する作家は村上春樹ぐらいしかいない。

こちらももはや一般教養のような国民的作家だから、結局、僕の読書のレベルは普通でいて、良いだろう。

読んでいる本も国立にいた頃から変わっていない。

これが正しい読書のスタイルと信じている。

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