『それから』を読み終えた
圧倒的な最後に、ため息が出た。
自分がこれから何か小説を書く必要はもうないような打ちのめされた気分だ。
これが明治の時代に書かれて毎日、新聞小説で連載されていたというのだから、すごい。
『それから』を最後に漱石はもう『三四郎』のような快活さを取り戻すことはない
『それから』を読んでいる。 漱石の小説は結婚にまつわる話がずっと付き纏う。 そうして定職につかない男の話と、それを是とする文明批評が繰り返される。 読んでいると…
またいつも思うのだが、外国のいわゆる姦通小説とは違う趣がある。
トルストイなんかは、読んでいて対象に何か嫌悪感が湧いてくるが、他人の奥さんを好きになってしまうのに、漱石の書く姦通ものはいつも、仕掛ける側が正義のように感じる。
もちろん、前段階で、義侠心を見せたりして、結婚の機会を逃してという前振りはあるのだが。
ここへきて漱石の凄さに新たに圧倒されている。
人生における文学の大切さをひしひしと感じている。
夏目漱石の作品の中では『彼岸過迄』が最も暗く絶望的な小説である
漱石の『彼岸過迄』を読んでいる。 冒頭、ちょっとしんどくなるのかと思ったけど、やっぱりすぐに面白くなってきた。 これを読むのはまだ2回目だ。 最初に読んだ時のこ…
コメント