いつかさようならを言う頃、僕はもっと大きな世界へ辿り着くだろう

いつも何か不穏だ。物事が完璧に片付いたことがない。

いつもどこかほつれている。

家を出る時も、何か、忘れていないかと思いながら車のバックミラーで僕を送り出す母を見ながら、あとはヘルバーさんに任せようと思い、昼の休憩に携帯に何も連絡がないとホッとする。

そう思いながら、仕事中は小説のことをわりと考えている。

父と母のことを心配している以外は、ほとんど小説のことばかり考えている。

そして仕事は定時にあがると、スーパーまでバイパスをぶっ飛ばして、(カーステレオでWurtSを聴きながら)買い物を済まして、5時には家に到着。

いいときはいいし、悪いときは悪い。

不穏さは消えないが、よくやっていると自分のことを客観視する。

いいサイクルで暮らしている。

ぐるぐる同じところを回っているようで、違うところへ僕を連れて行ってくれている。

いつかさようならを言う頃、僕はもっと大きな世界へ辿り着くだろう。

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