本と料理の話

昼の休みに分厚い本を読んでいるとよく何を読んでいるのかと訊ねられる。

僕の態度が、そういう風に見えるからだろう。

僕は自分の本のことを訊ねられるのが嫌いじゃない。

僕は読んでいる本のこと、その作家のことを説明する。

たぶんその本のこと、その作家のことを説明することが僕は好きなんだと思う。

それから料理の話をする。

何が得意なのか?

僕はなるべく自分の味の好みと、料理法のスタイルでいうシンプルさをできるだけ執拗に語ることにしている。

それを踏まえて僕なりに完成させている料理について、いかにそれに辿りついたかの時間を語る。

すると僕が料理が好きなのかという話になるけど、僕は料理が好きなのではない。

野菜の皮をむくのは好きだけど、肉を炒めたり、カレー粉を溶かしたりするのは、好きじゃない。

なによりめんどくさい。

でも、外で食べるより、自分で作って食べる方がおいしいと感じるから作るのである。

育ちの問題である。

そこまで話すとだいたいの人が引いていく。

なのであまり好きなものの話はしないのだけど、今日はけっこう思うように話せてよかった。

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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