21歳、アメリカ、ストップオーバー

東京から三重は旅路としてはとても短い。

新幹線に乗ったらあっという間だ。

どっか途中下車して、寄ろうと言うほど、距離が長くないので、いつも名古屋に着いたら、近鉄に乗ってしまう。

なるべく早く実家に帰りたいという気持ちが勝ってしまう。

ほんとは名古屋でおいしいものでも食べて帰ればいんだけど、実家に帰ったら、おかんの飯が食えると思うとひつまぶしも味噌カツも霞む。

それにテレビなんかを見ていると、食べ歩きの旅とかやってるけど、僕にとって旅はああいう感じじゃない気がしている。

21歳のときアメリカ行ったときに、最初のロスの空港で、今から45日ずっと一人なのかと思ったときは、すごい自由だった。

トラベラーズチェックとか現金とか持ってるけど、ぜったい足らないと思っていたし、不安だったけど、夜が明けるのが楽しみだった。

その街で友達がすぐに出来て、今でもどっか遠くにいる。

別にもう帰ってこなくてもいいんだという感覚と、絶対に生きて帰るからねという感覚のはざまに、言葉では現わせない高揚があったと思う。

それは今でも同じだ。

実家へ帰りたいけど、帰れない。

東京を離れたいけど、離れることができない。

どちらも大事な場所になっている。

はやくニューヨークへ移住したいな。

本売れる→顔さす→ノイローゼになる→ニューヨークへ逃避。

これが最近の夢。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

コメント

コメントする

目次