東京から三重は旅路としてはとても短い。
新幹線に乗ったらあっという間だ。
どっか途中下車して、寄ろうと言うほど、距離が長くないので、いつも名古屋に着いたら、近鉄に乗ってしまう。
なるべく早く実家に帰りたいという気持ちが勝ってしまう。
ほんとは名古屋でおいしいものでも食べて帰ればいんだけど、実家に帰ったら、おかんの飯が食えると思うとひつまぶしも味噌カツも霞む。
それにテレビなんかを見ていると、食べ歩きの旅とかやってるけど、僕にとって旅はああいう感じじゃない気がしている。
21歳のときアメリカ行ったときに、最初のロスの空港で、今から45日ずっと一人なのかと思ったときは、すごい自由だった。
トラベラーズチェックとか現金とか持ってるけど、ぜったい足らないと思っていたし、不安だったけど、夜が明けるのが楽しみだった。
その街で友達がすぐに出来て、今でもどっか遠くにいる。
別にもう帰ってこなくてもいいんだという感覚と、絶対に生きて帰るからねという感覚のはざまに、言葉では現わせない高揚があったと思う。
それは今でも同じだ。
実家へ帰りたいけど、帰れない。
東京を離れたいけど、離れることができない。
どちらも大事な場所になっている。
はやくニューヨークへ移住したいな。
本売れる→顔さす→ノイローゼになる→ニューヨークへ逃避。
これが最近の夢。
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