僕が劣化してしまう前に

冬になって、言葉数が減ったけど、元気にしています。

最近は、音楽というより、昔によく見た芝居をビデオで繰り返してみています。

『見積無料』とか『正月どうすんの?』とか。

DVDに焼こうと思ったけど、今、36歳の僕がこの先、この画質を保存したところで、後、何回これを見ることができるだろうかということと、この先の僕にはなんかの具合で時間が今みたいに、たくさんあるとは限らないので、今のうちに繰り返し、繰り返し見ておこうと思ったので、今、一生懸命、見ている。

ビデオの時代に永久保存というシールがあったけど、見る側の人間の方がビデオより先に劣化してしまったような気がする。

もちろん、僕は自分が劣化しているとは思っていないのだが。

でも、最近、少しおじさんになったなあと思うのは、たしかで、色々と世話をやいていた学生が職場に僕のことを探しにきたんだけど、「メガネのおじさん」と言って僕のことを探していたらしいことをきいて、僕は正直、、コケてしまったんだけど、ああ、俺も自他ともに認めるおじさんになってしまったんだなあと感慨深く思い、それはそれで、新しい価値観が生まれたようで、また少し自由になれた気がした。

ただ物事を考える時間の長さや深さ、繊細な事柄への感度などは、おじさんの域にはまだ、ないと思うんだけど、どうんなんだろ。

12月になってから、ずっと『アンナ・カレーニナ』を読んでいるけど、なかなかずっしりと重くて重なりのある物語で、読みごたえがある。

ドストエフスキーもスゴイと思ったけど、僕にはトルストイの方が、しっくりくるというのが、上巻を読みかけの感想だ。

冬のコタツの上に仕込んだパソコンでの書きものは、一時の寒さを忘れさせてくれる。

コーヒーを飲みながら、ノンアルコールの夜は更けていく。

孤独な夜は僕に、素敵な物語を与えてくれる。

たぶん、僕はまだ本気だ。

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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