片道キップ

去年の10月の2週目にふと、都落ちという言葉が頭によぎった。

あのとき僕の感じた不安とか悲しさはなんだったのだろう。

あの1週間はとても孤独で、たまらなく寂しかった。

今まで僕を大切にむかえてくれていた人々を裏切るみたいで、とても寂しかった。

僕が変わってしまったことをたぶん残念に思う人がいるから。

僕は何も変わってないのに。

これですべてが終わるということだったのだろうか。

それからしばらくして、腹を決めた。

1月も半分も過ぎ、もう戻れないところへきた。

ほんとは東京に未練がある。

今日も、古い友達と神保町へ出掛けて、カレーとコーヒーへ行った。

彼女は僕が本屋でアルバイトしているときに、いろいろと僕の熱く語る話に耳を傾けてくれた女の子でなんかもう一回会いたいと思って、連絡した。

もう4年近く会っていなかったんだけど、会うとぜんぜんお互い変わっていなくて、結局ずっとマンガとかアニメの話をしていた。

なんで4年も会ってなかったんだろう。

僕が素直になれなかったからだろうな。

でも、素直になれるまで4年必要だったんだとなんとなく思う。

僕はそれの繰り返しだ。

生きている間に、友情は温めておかないといけないとつくづく思った。

謝ってからじゃない会えない人がいるけど、謝るべきことがないから、会えない。

たくさんの理由が二人を離ればなれにしたんだ。

会ったらなにもなかったように接してくれるのがわかっているから、会えない。

もし彼の夢がかなえば、僕は会いに行こうと思っている。

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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