夏だからと言って、たくさん本を読む企みもなく、いつのまにか過ぎていった。
結局、8月に読んだのは2冊。
盆休みに名古屋で乗り換えの際に、三省堂で買って、新幹線の中で一気に読んだ指原莉乃の『逆転力』。
夏の終わりを見越して『ノルウェイの森』を取り出して、昨日下巻を読み終え、とても深いため息をついたところ。
物語を身体に刻みこむように読み込むことに果たして意味はないのかもしれない。
でも、本を読んでいるときに感じる作者の常識や節度、やさしさに触れることで、こころが温かくなる。
でも、それだけではない。
ある種の悲しさから僕自身がもう随分と、遠ざかっていることに気付いて、戻りようのないところで繊細さの欠片を失いつつある。
今、ただ生きていることが大切だけど、あるポイントでの僕は生きることより、大切に感じていたものがあった筈だった。
そして夜から秋が近づいてくる。
ノラ・ジョーンズを聴いている。
というかノラ・ジョーンズがこんなに好きだったのか、僕は。
というぐらい年間通してこのCDを聴いてる。
それからジャズも毎日、聴いている。
この夏はずっとセロニアス・モンクを聴いていたけど、やっぱりマイルス・デイビスも僕の秋には欠かせない。
でも、この秋は新しい本もレコードもしばらくは要らない気分。
新しいフライパンが欲しい気分。
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