村上春樹のこと。小説に対する姿勢、モノを語る姿勢、世界と向き合う姿勢に読者の僕が求める正しさがある。

好きな作家は誰かと聞かれたら、僕は間違いなく村上春樹と答える。

18歳まで野球をしていた僕に生き方を教えてくれたのは村上春樹だ。

彼の小説に対する姿勢、モノを語る姿勢、世界と向き合う姿勢。

東京では僕はずっと真似をしてきた。

コーヒーの飲み方から、音楽の聴き方、洋服の選び方も誰も知らないと思うけど、僕の趣味は村上春樹まんまだ。

それに住む街もそう。国分寺、三鷹・・・今、住んでいるところは、彼が学生時代に住んでいたところと非常に近い。

右に新宿、左に池袋。

『蛍』や『ノルウェイの森』でお馴染みの場所だ。

僕は自分の文章が誰かのこころを掴めるとは思えないが、自分の感覚をとても信用している。

今ではいいものを胸はっていいと言える。

教養というものが金で買えないように、それは長い膨大な時間をかけて培われた感覚だ。

僕はそういうものを大切にしていきたい。

どんな風に書くかというのは、どんな風に生きるかというのとだいたい同じだ。どんな風に女の子を口説くかとか、どんな風に喧嘩するかとか、寿司屋に行って何を食べるかとか、そういうことです。

 ひととおりそういうことをやってみて、「なんだ、これならべつに文章なんてわざわざ書く必要もないや」と思えばそれは最高にハッピーだし、「それでもまだ書きたい」と思えば―上手い下手は別にして―自分自身のきちんとした文章が書ける。(村上春樹『村上朝日堂』より

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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