見えない力、宿る

ほんの少し前に、夏のいい思い出ができましたと、友達から写メを送ってもらって、僕もいい夏だったと振り返っていたんだけど、今年の夏は、まだまだ終わっていなかった。

今年の甲子園はたぶん僕の周りのとくに三重の人間には特別な甲子園になりつつあると思う。

というのは、僕らも未開の地なので、身内が勝ち続ける感じというものがわからなかったんだけど、勝つときはこういう心持ちなのかというのが、なんとなくわかる。

僕らが見ていた初戦は、9回ツーアウトまで、4対2で負けていた。

あの日、僕はいい夏だったと言って近鉄電車の中で、夏が終わった気になっていたけど、あの時から、今年の夏が始まっていたんだということに、今日の午前10時ぐらいまで全然、気付いていなかった。

そういうときに人は勝ち続けるものなのである。

身のまわりでは大の大人が野球だけの話をしている。

野球は僕にとっては、身のまわりの親しい人とのキズナである。

高校野球をやってきて、よかったと思うことは稀だったけど、ここへ来て、野球のキズナは僕らにとって大きな財産だと感じる。

今年は初戦、やはり見に行ってよかったよ。

僕らが行った日は、甲子園満員で、僕は人ゴミが厭なので、帰ろうと行っていたくらいなのだ。

持つべきものは友達だな。

あの時、帰っていたら、僕は一生、後悔していた。

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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