家族の風景

クリスマスだなあ。

僕はクリスマスは毎年、明石家サンタが楽しみで、まあ、それ以外はあんまり楽しみというものはないんだけど、小さい頃の家族みんなでケーキ食べたりしたこととかいつも思い出すなあ。

今年はどこどこにケーキ予約したとか言って、夕方親父の車に乗って一緒に取りに行ったこともあった。

チキンとシャンメリーとケーキだけで、食卓は華やいだな。

あと京王百貨店でのアルバイトしているときのメリークリスマスもよかった。

僕は社会と隔絶していた時期で、誰とも会いたくなかったし、会っても楽しくなかった。

日々、バイトで使われるだけ使われて、このまま家に帰っても誰もいないというクリスマスの日、売り場で残ったクリスマスケーキをもらった。

うす暗い職員通用口ちかくの階段で、「メリークリスマス!」とその人は言って僕にケーキを渡してくれた。

感激(かんげき)という言葉の意味を知った日だった。

毎年、毎年、寂しいクリスマスという形容が人のこころを更に寒くしているようだけど、毎年、毎年、楽しいクリスマスってほんと?

公平に冷静に考えて、33年間で、僕は数えるぐらいしか楽しかったことはない。

それはクリスマスに限らず。

大連も、

アメリカも、

上海、杭州、紹興も、

21歳のカウントダウンの誕生日も、

過ぎ去って、もう二度と戻ってこないから、素晴らしくて、僕らはそれを今、楽しいと思うんじゃないだろうか。

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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