左へカーブを曲がると

ふだんは別になんともないんだけど、ときどき飲み会とか、寄りあいでたくさんの人に会うと、帰宅から寝て起きるまで凄く気分が沈む。

アルコールの付き合いは唯一僕が、抱える鬱だと思う。

一緒に飲めたら、鬱が解消されるのだろうか。

いや、鬱は空白で、空白を埋めるために人は飲むのであり、飲むから、さらに大きな空白が生まれるのだと僕は思う。

たぶん寝て起きたら治る僕の空白は鬱ではないのだろう。

でも、今はかなり深いまどろみの中にいる。

ストーンズ聴いてもモーモー聴いてもぜんぜん聴こえてこない。

音楽が聴こえてないから、文章の中に逃げこむわけだが。

まあ、なんにしてもなんのストレスもないような僕の生活の中にも付き合いとか、仕事関係とかで、ずっとズボンを握りしめながら、歯をくいしばりながら、時間が過ぎるのを待つようなときもあるということなのか。

週末は久しぶりに連休なので、かないくんか、バルテュスを見に行こうと思っているんだけど、どっちも混むとか思うとたぶん行かないだろうな。

もっとも、今、松本大洋の『Sunny』にハマっていて毎日、一巻から読み直しているんだけど、これがめちゃくちゃよくて。

絵、セリフ、絵、セリフとやさしさがじわじわと沁みて来て、なんか小さい頃の思い出とか、これから小さい子供と暮らすことが、あったらいいなとか思うようになり、ふわふわした気持ちのまま『Sunny』の切ない気持ちが忘れられない。

そして『Sunny』のこと考えたら、気分があがってきた模様。

これが作品の力か。

口惜しいな。

松本大洋。

ハンドルを切ったら、海が見えてきた感じだ。

『さよならなんて云えないよ』のワンフレーズ。

左へカーブを曲がると、光る海が見えて来る♪

あっという間に、ふっきれた。

早い、軽い、浅い、僕の空白。

ナイナイ聴いて寝るか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

コメント

コメントする

目次