今、読んでいる本は島田雅彦の『彗星の住人』という本。
『マダムバタフライ(蝶々夫人)』の末裔の恋の連鎖をえがいた作品でとてもいい作品。
サヨクの視点で戦後の日本からバブル期のことをさらりと書いた恋愛小説。
僕が少し政治のことを勉強していた頃に夢中になって読んだ作家だ。
第一作が『彗星の住人』
第二作が『美しい魂』
第三作が『エトロフの恋』
三部作。
読んでいていいなと思うのは、小説家の書く文章だなというのが滲み出ていて、それがじわじわと物語を積み上げていくところで、積み上げられることで物語が力を発揮して、読んでいる自分を別の次元へ連れていってくれる。
いい文章というのは、積み上げれらた文章だと僕は思う。
あることに対して自分の思いを正しい分量だけ上手くバランスよく積み上げることで、リアリティとか物語の輪郭とかが浮かびあがってくるんじゃないだろうかとこれを書いているうちに今、ふと思った。
積み上げる前に、積み上げる思い(材料)をたくさん集めておかないといけないという話しになるけど。
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