吉本隆明の本は、本屋でアルバイトしているときにたくさん読んだ。
『共同幻想論』『言語にとって美とはなにか』とか、60年70年代の学生は必携だったという本ももちろんそうだけど、こころに残っているのは、それ以外の『漱石を読む』とか『ひきこもれ』とか『超恋愛論』とかやわらかい読みモノだ。
辺見庸との『夜と女と毛沢東』とかも面白かった。
とくに『超恋愛論』は僕にとってはストライクの指南書だった。
それからいろいろ時間が経って読まなくなってしまい、たぶん僕が思想とか哲学とかを宗教みたいに頼らなくなったんだと思うけど、語りとか口調は今も影響を受けていて、小説書くときの地の文は未だにサヨクっぽくなっている。
別にそれだから駄目だというわけじゃなくて、ただソースをある程度、自覚しておかないといけないと思うのである。
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