色んなことが手詰まりな一日だった。
誰とも気持ちが通じ合わない。
たぶん一生誰とも通じ合わないだろう。
そんな一日だった。
そんな日は本を読んで気持ちを落ち着けるしかない。
『ダンス・ダンス・ダンス』は今、ハワイから渋谷のアパートに帰ってきたところ。
これから五反田君が家にやってくる。
よかったら家に寄っていかないかというシーン。
名シーンである。
僕はずっとこの世界の中にいる。
五反田君は言う、僕の一番好きなセリフだ。
「不思議な話だけど、僕には君以外に友達と言えそうな人間がまったく一人もいないんだ。二十年振りに会って、それも今日で会うのが二回目なのにね。不思議だ」
カサブランカみたい、と本文にはあるけど、それが響くのは、このセリフが色んなものを言い当てているからなんだろう。
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