昼間、ローソンでベーグルを買って食べながら、思い出した。
ジャスミン茶を飲むたび、中国を思いだし、ベーグルを食べるたび、アメリカを思い出す。
僕がベーグルをはじめて食べたのは、1998年の8月16日である。
おそらく。
ワシントンD.C.にあるユースホステルのフロントに置いてあったパンがベーグルだった。
30時間以上のバスの移動で僕は空腹でくたびれていた。
そこへ着くまで、ずっと南部でコーヒーのない旅をしていたので、朝にコーヒーとパンが食べれることがとても嬉しかったのを覚えている。
チェックインするなり、泥のように眠りこんだ。
あの頃、僕は今より若かった。
ニューオリンズ、ワシントン、ボルチモア、フィラデルフィア、ニューヨーク、ボストン、ニューヨーク。
旅はまだあと半分以上あった。
はやく日本に帰りたいと思いながら一ヶ月半過ごした。
とにかく暑かったということしか覚えていない。
たとえばニューオーリンズの郊外(写真はミシシッピ川)。
目的地まであともう少し、バスに乗ればよかったと後悔したけど遅い。
重たい本をリュックに詰めて汗にまみれて、喉はカラカラだ。
バス代の1ドルういたから、水を買って飲もう。
意識朦朧で、バテバテで、日陰で休んでいたら、教会の人が通りかかって心配して食べ物をくれた。
拳より大きいマフィン。
唖然としたけど、これが旅の洗礼とばかりに、喉がカラカラだけど、食べた。
「アーユーオーケー?」
「イエス、オーライ」
今年も暑い暑い夏を迎える。
魯迅巡礼(紹興にて)
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