それを手放してしまうと読者の僕からその体験が失われる気がするから、読まないかもしれないが、本を手元に置いておく

一冊、本を読み終えて次に読む本がなかなか決まらない。

一週間のうち、日曜日の晩はだいたいしばらく本棚の前で本を選ぶんだけど、これがなかなか決まらない。

僕はわりとテレビを中心に時間を割り当てているので、本を読む時間はとても少ない。

日曜日は『龍馬伝』から『ガキの使い』まではけっこうじっくり本が読めるから、本を新たにする機会が多い。

僕の家の本棚には基本的には好きな本しかない。

買って面白くなかったり、気に入らなかったら年に何回かの仕分けのときに売りに出される。

そんなにたくさん愛せないから。

だから、手元に残る本のほとんどが、繰り返し読まれる運命にある本である。

でもその中にも、おそらくもう次読まれることはないのに残っている本もある。

とてもいい内容で凄まじい世界観があるのだけど、僕は二度と、それを読みたくないと思う作品。

きっと僕はそれらを読んで溜息をついただろう。

それを手放してしまうと読者の僕からその体験が失われる気がするから、読まないかもしれないが、本を手元に置いておく。

たとえば『火垂るの墓』はすごくいい作品だけど僕はもう二度とあの映画を見ることはない。

そういう作品はときどきあらわれてこころを揺さぶる。

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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