雨の日の喫茶店

30年前の今日(12月8日)より少し前、ある有名人が、とある喫茶店にたまたま入った。

その喫茶店の店主は、その有名人(ミュージシャン)の大ファンで、ジュークボックスには、彼が昔、在籍していたバンド(世界で一番有名)の曲ばかり入っていた。

その有名人はとても気をよくして自分の過去の曲をいくつもリクエストしたという。

彼が店を出るとき、店主は彼に「雨にぬれないように」と言って彼に傘をさし出した。

彼はありがとう、

「雨が降ったらまた返しにくるよ」

と言って傘を持って帰った。

でも彼がその喫茶店に傘を返しに来ることはなかった。

30年前の今日、その有名人(偉大なミュージシャン)は熱狂的なファンの放った銃弾に倒れた。

現在も、店主は生きていて、その喫茶店は営業している。

そして看板にはこう書かれている。

「水曜定休、ただし雨の日は営業」

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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