金曜日はいつも帰りが遅い。
週一回の持ち回りの就活講座の当番だ。
6時の受付をして、学生を教室に入れて、8時半まである講座を廊下でじっと聞いていて、8時半から9時まで教室を元に戻すという仕事。
毎週、金曜日の夜が潰れるけど、それに見合うほどの残業代が出るので、毎年、引き受けてしまう。
11月、12月の金曜日は夜、遅くまで大学にいる。
去年もそうだったけど、夜の大学はイルミネーションがあって、キレイだ。
僕の母校は高尾山のふもとにあったから、ライトアップされても誰も見ないけど、街中にある大学は、見物にくる人もあり、なかなかいいものだ。
僕が、この大学で働き出したときは、まだ夜間の授業もあったんだけど、今はもうない。
それでも、夜の大学はたくさんの人だかりで、すれ違う学生の息遣いも少し弾んでいる。
最近の学生は勉強ばかりしているイメージがあるけど、そんなことない。
いつの時代も、色々いる。
夜はみんな夢を見ているんだ。
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