昔々、といってもたかだか四十五年

椿山荘でホタルが見えるというのは本当だった。

僕自身はホタルが珍しい人間でもないんだけど、このホテル(結婚式場)で見る、ホタルには思い入れがある。

『蛍』という小説の舞台は、45年前のこの場所の近くにある男子寮の話で、このホテルで客寄せとして放たれている蛍が、その男子寮の屋上へ紛れ込んで、当時、早稲田の学生だった村上春樹の元へと渡った頃の話である。

これが時間を経て、『ノルウェイの森』となったという話はこのブログでもさんざん書いてきた。

この話は半分ぐらいは僕のねつ造かもしれないけど、半分ぐらいは事実である。

残りの半分を僕は人生をかけて引き受けているのだ。

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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