僕が生まれた時から、この風景はほとんど変わっていない。
都市の風景は30年ずつ一新されると言われているが、僕の見ていた田舎の風景は30年変わっていない。
よくこの田んぼで、凧あげや、遠投をした。
だから当時は、冬場の田んぼはもっと荒れていた気がする。
ここへ水が入ると、夜はカエルの鳴き声でとても賑やかになる。
何年か前の夏に、僕は2階の窓を全開にして寝たときに、なんで東京なんかで暮らしているんやろうと思い、よっぽどこっちへ帰ってこようと思った。
正月に一緒に飲んだ友達が帰りの車の中で言っていた。
「結婚とか考えれるようになったんは、ほんと最近になってからやからなあ。20代はそんなこと考える余裕がなかったから」
僕は彼が話すのを聞いてジーンとしていた。
30にして立つとはほんとだなあと感じるこの頃、不惑の年までには、今とは違うことに考えを巡らせていたい。
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