夏に生まれる

朝、起きたら外は夏だった。

日差しが部屋まで差し込んできて、なにかの始まりのような気がした。

気温も上がれば上がるほど気分が高揚する。

こういうのを待っていた。

この夏、アツいアツいともんくばっか言って過ごすか、アツいアツいと言ってほんとになにもかも燃やしてしまうか、決めるのは自分自身だから。

10代の頃は、野球ばっかしていて、大人になってからは、ロマンチックに凝りだして、そこから抜け出せなくなってしまった。

僕は夏がくると荷物をコンパクトにまとめて遠くへ行く夢を見ながら、朝を迎える。

夏の朝は、だから僕にとって半分は夢なんだ。

ほんとに。

21歳のとき、異国の旅先で朝、ラウンジで牛乳を飲みながら、ルームメートと言葉を交わすだけで僕は大きくなれた気がした。

あのとき僕は日記を書いていた。

帰ってから誰かに読んでもらうために書いていた。

あのときの日記が僕は大好きだ。

そして今、僕は日記を書いている。

いつかまた、そう思えるように。

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この記事を書いた人

三重県生まれ。現在は給食調理員をしながら両親と3人で暮らしています。趣味の読書と音楽鑑賞に加えて、自分でも様々なものを書いています。

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